チャーシュー麺を求めて

長野県は安曇野に起居する私がチャーシュー麺とその他の趣味について綴る

穂高 味しろ

安曇野、というとやはり北アルプスを頂き、空気も水もきれいで、また東京からもアクセスも距離も程良く、しかし派手なものも無いのでそれなりに客筋も良く、みな何となくぶらぶらし、そんでまあ風呂でも入って蕎麦でも食って帰る、そんな場所だ。

登山を嗜む方であれば、またちがう感想もあるだろうが、私は重い荷物を背負って坂道を登るのも下るのも好ましく思えない人間なので、登山愛好家から「そんないい場所に住んでいるのにもったいない、登山すべきだ」と、言われる事も少なくないが全く余計なお世話だ。

体育会系やポジティブ思考の方々の思い込みの激しさには辟易する、人間の価値を固定化し他人に強要する事を何ら恥ずかしむる事もなく、力任せの感想を当然のように言い放ち、己を正当化し他人を出汁に自己肯定感を高めている狂人達には何を言っても無駄だろう、あなたの言葉は届かないし、私の言葉も届かない。

それから温泉についてだが、質は基本的に良くは無い。

山上から十キロ以上に渡ってパイプ引湯しているお湯を素晴らしい、とは言い難いし源泉掛け流しを感じられる湯はもう無い。

そんな安曇野市穂高、観光道路でもある通称山麓線沿いにある、味しろ。

お客はそこそこ入ってるイメージだが数回しか訪れた事は無く、更に今回は何年ぶりかの訪店なので、味についての記憶はない。

そこで頼んだチャーシュー麺は見た目素晴らしく、ああ、いいな、と思えた。

しかし、言わせてもらえれば、というか、自分勝手にやっているブログに於いて、私はある意味神なので言わせてもらうが、見た目の悪いチャーシュー麺などまず無いのでは無いか。

丼があって、肉が同心円状に並び、隙間から少しスープと麺が見え、ねぎなり何なりがあったりなかったりで、余程の厚切りチャーシューでも乗っていなければ見た目の差異は大したこと無い、それがチャーシュー麺の良さでもある。

まあ、そもそも、見た目で不味いし食べても不味い、そんな飲食店があるなら行ってみたくもある。

それでここのチャーシュー麺だが、なんだかチャーシューがうまくなかった。

ホロホロ感があり最初は、お、と思ったが最終的に缶詰のツナのようなギュッっとつまる食感がありそれが不快に感じた。

煮方の問題なのだろうか、圧力鍋を使うとこんな食感になる気がするが、どうなんだろう。

またしても、私のフェイバリットとはならず、寂しい気持ちで店を後にした。